入浴剤研究所
入浴剤データベース

入浴剤の成分の読み方

成分表示は基本的に配合量の多い方から順に表示されている。おおよそ以下のようなグループ分けが出来、それらから配合目的を推測することができる。
基剤
成分中に多く含まれる、ベースとなる材料。
粉末系入浴剤では硫酸Na、塩化Naなどの無機塩類、バスソルトでは岩塩、海塩、溶媒としての水、エタノール、バスオイルではミネラルオイル(石油由来の鉱物油)などが基剤となる。
保湿剤
肌をしっとりさせる成分。エキス類が「効能」としてパッケージに書かれる事が多いが、化学合成された成分が略称でコッソリ配合されていることが多く、実はそちらの作用が大きかったりするとかしないとか。
BG(1,3‐ブチレングリコール)、DPG(ジプロピレングリコール)、PG(プロピレングリコール) 、グリセリンなど。
生薬類/エキス類
実際の効果より、入浴剤の売り文句として配合される場合が多い。 有名な生薬からナニコレ!?と言うエキスまで多種多様なエキスが配合される。
アロエベラエキス、キダチアロエエキス、グレープフルーツエキス、コメヌカエキス、モモ葉エキス、ショウキョウエキス、トウキエキスなど
有機酸類
フルーツに多く含まれ、「フルーツ酸」とも呼ばれる。pH調整やエモリエント剤(角質/皮膚を柔らかくする成分)として配合される。
もう一つの重要な目的は発泡入浴剤の「発泡」の原料で、炭酸Na(重曹)や炭酸水素Naと組み合わせて配合される。
クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、オレイン酸、酒石酸など。
酵素類
難しく言うと「生化学反応において触媒として作用する物質」。
パパイヤに含まれるタンパク質分解酵素・パパインが最もポピュラー。
他にリパーゼ(脂肪分解酵素)、パンクレアチンなど。
起泡剤
泡立たせる成分。バブルバスのみに配合される。シャンプーに含まれる成分と似ている。
数種類あるが、一般に多く用いられるラウリル硫酸Na、ラウレス硫酸Naは泡切れが非常に早い。
他にスルホン酸-ナンタラ、コカミド-ナンタラなどの化合物がある。
着色剤
入浴剤に様々な色を付けるために配合される成分。
一般に用いられるものは石油から精製するタール系色素で赤色○号、黄色○号、青色○号などで表記されるものがすべてソレである。赤・黄色・青が基本色でその他の色はこれらの色を混ぜて使用する。 一方、天然系の着色剤ではリポフラビン(黄色)、銅クロロフィリンNa(緑色)などが用いられるが、タール系色素と比較すると色が不鮮明で圧倒的に薄い。
濁り湯の白色の着色には酸化チタン(チタンホワイト)を用いるのが一般的で、湯中に均一に拡散させるため同時に分散剤も配合される。他にスキムミルクを使用する場合もある。
香料
実に様々な香料が配合されるが、成分名では「香料」としか表記されないため実態が分からない場合が多い。 香料は品質の差が激しく、瞬時に消滅してしまうものから湯上りまで肌に香りが残るものまである。
香料として精油(エッセンシャルオイル)を用いたものもある。精油は通常の香料より初期芳香がやさしく、自然で高品質な香りだが持続性にはバラツキがあり精油だからすべて香りが素晴らしいと言う訳ではない。
防腐剤・保存料
一般の無機塩類を主体とした入浴剤には配合されないが、特殊な化合物を用いた入浴剤では品質保持の為に防腐剤・保存料が配合される。
パラベン、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、フェノキシエタノール、安息香酸Naなど。
その他
上記のジャンルに属さない成分。
PEG(ポリプロピレングリコール)は湯ざわりを良くしたり、PEG-○○Mと表記されるものは湯にトロミを与えるために配合される。
硫黄は温泉成分として有名だが風呂釜・浴槽を痛める可能性があるので入浴後はよく洗い流したい。

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